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あれだけライブ見てきたんだから少しは飽きないの?
これは幾人かに本当に不思議そうに聞かれた。 飽きることなどない。疲れることはあるが。 映画に例えよう。映画好きな人というのは、実に年間300本以上の映画を見る。 飽きないの?いや、飽きないだろう。好きなのだから。ただ、疲れると思う。 同じ映画を300回見るのとは訳が違う。それを「飽きる」というのだ。 ライブもそうだ。同じ人のライブばかり見ていたら飽きる(たまに飽きない人もいるらしいが)。様々な人たちの様々なライブを見ることは、私にとってその人の人生、生活を垣間見させてもらうこと。一人として同じ演奏をするものがいないワン&オンリーな世界の中で、「人間ってすごい」と思わせてもらうこと。多種多様な感性を「もらうこと」なのだ。 そしてこの世界、この地球上の、人間の作り出した「境界線」というものをいとも簡単に飛び越えることのできる「芸術」にあらためて敬服するのである。 昨日は文京シビックホールに初めて行った。1700人収容、出来て3、4年のきれいなホールだ。TOKUグループ、日野皓正セクステットのダブルビリング。席は一階18列の端のほうだったが、どこの席からもステージを正面から見ているように感じさせる設計。非常に良いと思った。 最初はTOKU。サウンドエンジニアとの相性が悪く、演奏を殺してしまっている感がある。途中で改善されたもののウッドベースが完全にデッドになってしまっておりベコベコ聞こえるし、ボーカルとフリューゲルホルンが大きすぎ、さらにリバーブが効きすぎ、バランスも何もあったものではない。アンコールのスターダスト、これはTOKUがマイク無しで歌いだし、途中でバンドが伴奏に入る。これが一番良かった。多少調節しているとはいえ、マイク無しでちょうどいいほどバックの音量が小さかったということだ。 TOKUの歌声をしっかり聞いたのはかれこれ3年ぶりだ。非常に上手くなった、と私が偉そうに言うのもおかしいが、声の伸び、安定感が向上している。あまりマイクに頼らない歌い方を今後試していけば、さらに表現力は上がると思われる。まだマイクに集中しすぎ、固い印象があった。自由に体を動かしながら力を抜いて歌っていけるようになれれば。 さて日野皓正セクステット。 ステージに出てきた瞬間からかっこいい。あ、TOKUバンドは青二才の集まりだなと思わせるほどに力の抜けた、円熟した空気。 そして演奏は、「超一流」の太鼓判を押させていただこう。 まさに、まさに、まさにジャズであった。しきりに放出される熱によって、ステージの広さを全く感じない。カラーとしてはハードバップ。ブレイキーやブラウニー、デックスなど往年のジャズジャイアンツの魂が降臨してきていたと言っても過言ではない。 何より日野皓正その本人がとにかくかっこ良すぎる。 髪はいつものようにリーゼント風、黒のタンクトップに仕立ての良さそうなスーツ。よく磨かれた靴。吹いていないときはピアノの横で踊っている。 30代後半の息子が二人いる62歳とはとてもじゃないが、見えない。不良おやじと悪ガキが共存している。 ブランフォード・マルサリスに「この男は吹ける」と言わしめた多田誠司のアルト、さらにスペシャルゲストとして韓国から招かれたイ・ジョンスクのテナーでの3管。イ・ジョンスク恐るべし!日本に彼のような素晴らしいテナープレイヤーはいない。少なくとも私は知らない。韓国ジャズの第一人者であり、ロンカーターなどともレコーディングをしている実力派である。 圧倒的な演奏を前に、私は思うのだ。私にとって世の中に、まだまだ聴かなければいけないミュージシャンは多い。 そして日野皓正を生で聴いたことのない方々には、彼は聴かなければいけないミュージシャンですので是非見てくださいと、声を大きくして言いたい。 人間ってすごい、と、思えますから。 本日のBGM: Sergio Mendes & The Brasil '66 / Fool on the Hill
by the-beat-goes-on
| 2004-11-10 15:41
| the_beat_goes_on
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