以前の記事
2008年 04月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 11月 2004年 10月 2004年 09月 その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
「1974年以降よいアルバムは出していないが、それでも世界最強のホーンバンドであることには変わりない。」
これは今週のVillage Voiceのタワーオブパワーについての説明である。まったく誉めているのだか貶しているのだかよくわからない。 昨晩はタワーオブパワー三昧。友人のお知り合いにひょんなことからステーキをご馳走になりパワー全開でBBKings Blues Clubに向かった私。テーブル席はソールドアウトのためバーカウンターに陣取り、最高のポジションをゲットする。 始まるまでの間、このフルハウスの状態のオペレーションをどのようにこなしているのか興味深く見ていた。BBKingsは、約500席ほどあると思われる巨大な店だ。バーテンダーはバーの中を走ったり回ったりしながらアクロバティックにお酒を作っていく。別にこれはパフォーマンスでやっているのではなく、バーが異常に長いしキャッシュオンでのオーダーの際はキャッシャーまでが遠く、必然的に走ることとなる。約3人で、500人分のドリンクを作っているのだから凄まじい。 ホールはハンディ入力システムではなく、場所場所にミニレジのようなものが備え付けられそこで入力を行っているようだ。スタッフの数はそこそこ多いが、特にインカムのようなものはつけていない。この広さの店をインカム無しでどうやって管理するのだろう? だが、何に関しても待たされることはなかった。素晴らしい。 さてステージが始まる。NYにてタワーオブパワーを見ることは私の夢だったのでとてもエキサイトしていたのだが、意外とお客さんは落ち着いてステージを見ている。 あれ、おかしいな、NYの土曜のTOPなんてクレイジーにみんな踊りまくるものだと勝手に思っていたが…。と客席を見ていると、中年のご夫婦が多いことに気がついた。 TOPは36年の歴史を誇る長寿バンドである。ちょうどリーダーのエミリオがバンドを始めた頃、ヒットした頃にやはり若かった世代が、今落ち着く年代になってTOPを聞きにきているのだ。日本の男臭いファンクラブの集まりとはだいぶ雰囲気が違う。 曲が進むにつれ次第に盛り上がり立ち上がるお客さんも増える。私の目の前の男性は、立ち上がりはしなかったもののすべてのホーンフレーズを大声で歌っている(こういう人も珍しいが)。 皆が思い思いに演奏を楽しむ。それは私の想像していたクレイジーとはほど遠いものだった。私も踊り、歌いながら存分にTOP Grooveを堪能した。 インターバルでメンバーにごあいさつ、2nd showに残る権利をゲットする。楽屋と言える小さな部屋はたった二つ、入りきらない残りのメンバーは廊下でご飯を立ち食いしている。ひどいものだとは思うがアメリカらしい。 2ndもバーで立ち見。こちらでは1stより2ndのほうが空いているパターンが多い。 日本では全く逆なんだけれども。 隣にいた男の子達はなんとメイン州からTOPを見にNYまでやってきたそうだ。メインといえばカナダとの国境。素朴な子達で面白い。やはり私と同じようにNYでのTOPライブはクレイジーと思っていたらしく、彼らだけが飛び抜けてクレイジーに発狂していた。 ライブ後。ベーシストのロッコと話をする。 彼は3年ほど前、生死をかけた大手術により大復活を遂げた伝説の男である。マウントフジで行われていた「ロッコ募金」にわずかばかりであれお金を入れたこともある。だが1月に会ったときよりも相当痩せてしまい、笑顔は出ていたが辛そうだった。「やっと少しだけ良くなったって言えるよ」と言ってはいたが明らかに状態は芳しくない。この体でTOPのツアーをこなしているのは信じられない。春に東京で会うことを約束し、固くハグをかわし、お別れした。 次にトランぺッターのマイク。 91年から96年まで日本にいた彼は、米軍のバンドでトランペットを吹いていた。 なんと96年12月、当時新大久保にあったサムデイでの「エリックミヤシロビッグバンド/マイクボガートお別れライブ」を当時20歳だった私は見に行っている。 本当に日本人かと思うほど謙虚で、優しいマイク。NYの地下鉄は怖いから乗れない、と軍上がりの筋肉むきむきの男に言われると思わず笑ってしまう。 さらに今回、私を呼んでくれたテナーソリストのトミー。 元はと言えば彼はマイケルブレッカーの大ファンで、私がトミーの手紙をマイケルに渡してあげたことからすべては始まっている。 もちろんトミーは大喜び。タワーオブパワーのソリストといったら十分立派だと思うのだが、彼はマイケルのことを話すと止まらないくらいブレッカー好き。 楽屋でも自分でコピーしたマイケルのソロを一生懸命吹いてたっけ。 そんなこんなで仲良くなり、今では私のことを「家族」と言ってくれる。ありがたいことだ。 十分すぎるエネルギーをもらい、それでも興奮していて昨晩はなかなか寝付くことができなかった。 ロッコの体調、キーボードのロジャーの前立腺がん。懸案事項は山ほどあれど、彼らが37年目も、38年目もこうやって私たちを幸せにしてくれる音楽を演奏し続けてほしい。心から応援したい、この世界最高のファンクバンドを。
by the-beat-goes-on
| 2004-10-25 01:19
| Autumn in New York
|
ファン申請 |
||